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便々
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べんべん
ふりがな文庫
“
便々
(
べんべん
)” の例文
福田氏が警察の助力を
仰
(
あお
)
いだことも知らぬ筈はなく、
便々
(
べんべん
)
と十一月廿日を待って、相手の警戒網を完成させる
愚
(
ぐ
)
はしないであろう。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
力持の女の
便々
(
べんべん
)
たる腹の上で大の男が
立臼
(
たちうす
)
を据えて餅を搗く、そんなような絵が幾枚も幾枚も並べられてある真中のところに
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
谷村博士はどうしたのだろう? もっとも向うの身になって見れば、母一人が
患者
(
かんじゃ
)
ではなし、今頃はまだ
便々
(
べんべん
)
と、
回診
(
かいしん
)
か何かをしているかも知れない。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かんがえてみると、阪井ほどのやつがいつまでも
便々
(
べんべん
)
とわたしの返事を待っているはずはない。
ハムレット
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
外で演奏する時には、ゆったりした王朝式の服装と、
被
(
かぶ
)
りものであるが、今日のように平服のときは、
便々
(
べんべん
)
たる太鼓腹の下の方に、
裾
(
すそ
)
の広がらない無地の
木綿
(
もめん
)
のような袴をつけている。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
二人がこうして揃った上は
便々
(
べんべん
)
と三月十五日を待つ迄もない……というので、二人は顔を揃えて島原の松本楼に押し上り、
芸妓
(
げいしゃ
)
末社を総上げにして威勢を張り、サテ満月を出せと註文をすると
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
縁側に居た
白痴
(
ばか
)
は
誰
(
たれ
)
も
取合
(
とりあわ
)
ぬ
徒然
(
つれづれ
)
に
堪
(
た
)
えられなくなったものか、ぐたぐたと
膝行出
(
いざりだ
)
して、
婦人
(
おんな
)
の
傍
(
そば
)
へその
便々
(
べんべん
)
たる腹を持って来たが、
崩
(
くず
)
れたように
胡坐
(
あぐら
)
して、しきりにこう我が膳を
視
(
なが
)
めて、
指
(
ゆびさし
)
をした。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう
便々
(
べんべん
)
と三谷の助けを待っている場合でない。彼は何か、よくよくの邪魔がは
入
(
い
)
って、ここへ来られなくなったのであろう。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
かう気のついた彼は、すぐに
便々
(
べんべん
)
とまだ湯に浸つてゐる自分の愚を責めた。さうして、
癇高
(
かんだか
)
い小銀杏の声を聞き流しながら、柘榴口を外へ勢ひよく
跨
(
また
)
いで出た。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
便
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
々
3画
“便々”で始まる語句
便々腹
便々館湖鯉鮒