企謀たくらみ)” の例文
一人は、今は小使を志願しても間に合わない、慢性の政治狂と、三個さんにんを、紳士、旦那、博士に仕立てて、さくら、というものに使って、鴨をはいいで、骨までたたこうという企謀たくらみです。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
岐阜を葬らんという企謀たくらみをめぐらしておるとのことにございます
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だつて、なん企謀たくらみあそばすんではなし、ぬしのあるかただとつて、たゞ夜半よなかしのんでおひなさいます、のあの、垣根かきね隙間すきまそつとおらせだけの玉章ふみなんですわ。——あゝ、此處こゝでしたよ。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
這奴しゃつ窓硝子まどがらす小春日こはるび日向ひなたにしろじろと、光沢つやただよわして、怪しく光って、ト構えたていが、何事をか企謀たくらんでいそうで、その企謀たくらみの整うと同時に、驚破すわ事を、仕出来しでかしそうでならなかったのである。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)