仰附おおせつ)” の例文
これよりき四年十月朔に、抽斎は月並つきなみ出仕しゅっし仰附おおせつけられ、五年二月二十八日に、御番ごばん見習みならい表医者おもていしゃ仰附けられ、即日見習の席に着き、三月朔に本番にった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
いずれも忠信の者どもにそうろうあいだ御回向ごえこうをもなされくださるべく候。その場に生残り候者ども、さだめて引出され御尋ね御仕置にも仰附おおせつけらるべく、もちろんその段人々にんにん覚悟の事に候。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
喜「これは怪しからん、富彌、何ういう心得だ、かみから下された水飴というものは一通りならんと、梅の御殿様の思召おぼしめすところは御情合ごじょうあいで、態々わざ/\仰附おおせつけられた水飴を何で左様な事をいたした」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
難有ありがとうございます。いえ。県庁からお宿を仰附おおせつけられましたのは、この上もない名誉な事でございます。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
己が貴様の親だと云って名告なのって逢われべき者ではない、実に非義非道の親である、其のほうが懐妊中に江戸詰を仰附おおせつけられて江戸屋敷に居る間に、若気の心得違いで屋敷を駈落する程の心得違いの親
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
某は香木を松向寺殿に参らせ、さて御願い申候は、主命大切と心得候ためとは申ながら、御役に立つべきさむらい一人討果たし候段、恐入り候えば、切腹仰附おおせつけられたしと申候。
某は香木を三斎公に参らせ、さて御願い申候は、主命大切と心得候ためとは申ながら、御役おんやくに立つべきさむらい一人討ち果たし候段、恐れ入り候えば、切腹仰附おおせつけられたくと申候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)