仏家ぶっか)” の例文
さぞ愁傷しゅうしょう、お馴染なじみだけに猶更なおさらお察し申します、あの方は誠に御貞節ないゝお方であったが、これが仏家ぶっかでいう因縁とでも申しますのか、嘸まア残念な事でありましたろう
かつ自然と云ふこと、万事にわたりて然らざることを得ず。(中略)又仏家ぶっか漠然まくねんに帰すると云ふことあり。くうに体する大乗のおしえなり。自然と云ふより一層あとなきことなり。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
決してそんな造作ぞうさのないものではない。孟子もうし求放心きゅうほうしんと云われたくらいだ。邵康節しょうこうせつ心要放しんようほうと説いた事もある。また仏家ぶっかでは中峯和尚ちゅうほうおしょうと云うのが具不退転ぐふたいてんと云う事を教えている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見れば世の中には不可思議無量の事なしと言いがたこと仏家ぶっかの書には奇異の事をいだこれ方便ほうべんとなし神通じんつうとなして衆生しゅじょう済度さいどのりとせりの篇に説く所の怪事もまた凡夫ぼんぷの迷いを示して凡夫の迷いを
怪談牡丹灯籠:02 序 (新字新仮名) / 総生寛(著)