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仄
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ほん
ふりがな文庫
“
仄
(
ほん
)” の例文
見ると、耳の根を
仄
(
ほん
)
のり紅くしてゐる。私は其儘室に入らうとすると、何時の間にか民子が來て立つてゐて
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
あらかじめ観客の注意を散在せしめないために、階下の一帯を消燈しておいたので、廊下の壁燈が
仄
(
ほん
)
のりと一つ
点
(
つ
)
いているだけ、
広間
(
サロン
)
も周囲の室も
真暗
(
まっくら
)
である。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
……
饂飩屋
(
うどんや
)
の
門
(
かど
)
に博多節を弾いたのは、
転進
(
てんじん
)
をやや縦に、
三味線
(
さみせん
)
の手を緩めると、撥を
逆手
(
さかて
)
に、その柄で
弾
(
はじ
)
くようにして、
仄
(
ほん
)
のりと、薄赤い、
其屋
(
そこ
)
の板障子をすらりと開けた。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
見ると、耳の根を
仄
(
ほん
)
のり紅くしてゐる。私は其儘室に入らうとすると、何時の間にか民子が来て立つてゐて
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
痙攣
(
けいれん
)
の跡もなく、綿のように弛緩しているけれども、不審な事には、
仄
(
ほん
)
のり
脂
(
あぶら
)
が浮いている鎧通しだけは、かなり固く握り締めていて、腕を上げて振ってみても
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
▼ もっと見る
それに、開口のしたあたりでは
仄
(
ほん
)
のりと匂っていた、
石油ガス
(
ギャス
)
の臭いがまったく今はない。
人外魔境:10 地軸二万哩
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
仄
(
ほん
)
のり色付いた桜の梢を雲のようにして、その上に
寛永寺
(
かんえいじ
)
の
銅
(
あか
)
葺屋根が積木のようになって重なり合い、またその背後には、
回教
(
サラセン
)
風を真似た鋭い塔の
尖
(
さき
)
や、西印度式の五輪塔でも思わすような
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
“仄”の意味
《名詞》
(ソク)仄韻。また、その字。
(出典:Wiktionary)
仄
漢検1級
部首:⼈
4画
“仄”を含む語句
仄暗
平仄
仄白
仄明
仄々
仄紅
逼仄
仄闇
仄聞
仄見
仄青
仄筆
仄赤
仄紅色
仄白々
仄浮
仄起
仄透
仄歩
仄黄色
...