“仄明”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほのあか86.4%
ほのあかる13.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
成信は間もなく眠ったらしい、誰かゆり起す者があるので眼をさますと、障子が仄明ほのあかるくなり、すぐ側にさっきの男が立っていた。
泥棒と若殿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
その仄明ほのあかりを頼りにして、針葉樹帯の小道から二つばかりの丘を越えてダラダラと下りて来ると、目の前は広い山芝の平地です。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……そこが仄明ほのあかるいだけ、大空の雲の黒さが、此方こなたに絞った幕の上を、底知れぬ暗夜やみにする。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この夜は電光が頻りに閃いて私達の心を暗くしましたが、午前四時頃に覚めて天幕の外に出ると、しっとりと湿気を帯びた仄明ほのあかるい谷の空気は、強く幅のある駒鳥の高い鳴声に漸くさめようとし
日本アルプスの五仙境 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)