けい)” の例文
時に帝諸将士をいましめたまわく、むかし蕭繹しょうえき、兵を挙げてけいに入らんとす、しかそのしもに令して曰く、一門のうち自ら兵威を極むるは、不祥の極なりと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
是日に蘭軒はけいに入り京を出でた。一行は敢て淹留えんりうすることをなさなかつたのである。奴茶屋の条に、片岡流射術の祖と云つてあるのは、片岡平右衛門家次の一族を謂つたものであらうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
甘粛はけいる遠しといえども、タメルランの勇威猛勢は、太祖の時よりして知るところたり、永楽帝の憂慮察すし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
輝祖きそむを得ずしてけいに帰りければ、何福かふくの軍のいきおいげて、単糸たんししないすくなく、孤掌こしょうの鳴り難き状を現わしぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)