がは)” の例文
人の好い明子の父親は、嬉しさうな微笑を浮べながら、伯爵とその夫人とへ手短てみじかに娘を紹介した。彼女は羞恥しうちと得意とをかはがはる味つた。
舞踏会 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
僕がめてやらう。(二つをかはがはるに指で指し)ド ツ チ ニ シ ヨ ウ カ ナ……。こつちだ。(道代に渡す)
ママ先生とその夫 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
鹿しかのめぐりはだんだんゆるやかになり、みんなはかはがはる、前肢まへあし一本いつぽんなかはうして、いまにもかけしてきさうにしては、びつくりしたやうにまためて
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
その度ごとに、かはがはる、男と女の顔がぱつと明るくなるのです。風に翻る袖、ほどけかゝつた肩掛、それが、木の葉のやうに光ります。僕たちも、森の中から飛び出して、一緒に踊りました。