主家しゅうか)” の例文
拙者主家しゅうかの御領分越後えちご高田たかたよりの便たよりによれば、大伴蟠龍軒似寄によりの人物が、御城下にきたりし由、多分越後新潟辺にるであろうと思われます
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
これは吉良、上杉両家の近情きんきょうを偵察するためで、内蔵助もそのころから主家しゅうかの再興をしょせんおぼつかなしと見て、そろそろそれに処する道を講じておいたものらしい。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
善は急げと支度したくして、「見事金眸が首取らでは、再び主家しゅうかには帰るまじ」ト、殊勝けなげにも言葉をちかひ文角牡丹にわかれを告げ、行衛定めぬ草枕、われから野良犬のらいぬむれに入りぬ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
ついては嬢さんをお助けなすった大夫は、身柄は小兼にお聞きになれば分りますが、前々ぜん/\は今お話しの金森家の重臣で、千石あまりをお取り遊ばしたお方で、主家しゅうかの通りの大変で
主家しゅうかを出でて諸国を遍歴せし事など、落ちなく語り聞かすほどに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
手前は又主家しゅうかの娘と不義をしていとまを出されるのみならず、兄の身に取っては大切の金子かねまで取るという奴じゃから、何う人さんから云われても一言の申訳はあるまい、憎い奴じゃ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
はからずも母様はゝさまのお蔭にて本懐を遂げ、江戸へ立帰り、主家しゅうか再興の上わたくしは相川のいえを相続致しますれば、お母様をお引取申して、必ず孝行を尽す心得、さすれば忠孝の道も全うする事が出来
実に主家しゅうかの大事だから、早くお国表へまいろうと云うので、急に二人ふたり梅三郎と共にお国へ出立いたしましたが、其の時姉のお竹の方へは、これ/\で梅三郎は全く父を殺害せつがいいたしたものではない
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)