不心得ふこゝろえ)” の例文
「あゝして提唱ていしやうのあるときに、よく參禪者さんぜんしや不心得ふこゝろえふうせられます」とつた。宗助そうすけなにこたへなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一昨年いつさくねんあき九月くぐわつ——わたし不心得ふこゝろえで、日記につきふものをしたゝめたことがないので幾日いくかだかおぼえてないが——彼岸前ひがんまへだつただけはたしかだから、十五日じふごにちから二十日頃はつかごろまでのことである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
のみならず自己の講義のうちに全然埋没してゐる。三四郎の不心得ふこゝろえには丸で関係しない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
このあたり裏道うらみちけて、松村まつむら小松こまつ松賀町まつかちやう——松賀まつかなにも、鶴賀つるかよこなまるにはおよばないが、町々まち/\もふさはしい、小揚連中こあげれんぢう住居すまひそろひ、それ、問屋向とんやむき番頭ばんとう手代てだい、もうそれ不心得ふこゝろえなのが
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)