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不作法
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ぶさほう
ふりがな文庫
“
不作法
(
ぶさほう
)” の例文
小林はまたそんな事を
顧慮
(
こりょ
)
する男ではなかった。秩序も段落も構わない彼の話題は、
突飛
(
とっぴ
)
にここかしこを
駈
(
か
)
け
回
(
めぐ
)
る代りに、時としては
不作法
(
ぶさほう
)
なくらい一直線に進んだ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
不作法
(
ぶさほう
)
極
(
きわ
)
まる訪問様式を、
厳格
(
げんかく
)
に
改
(
あらた
)
めたいと思ったのではあるが、どうも習慣というのは恐ろしいもので、
格子
(
こうし
)
にちょいと手がかかると、僕はいつの間にやらガラガラとやってしまって
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ゆえに折々かの
石碑
(
せきひ
)
の周囲に雑草がはびこって、見すぼらしくなりはせぬか、石が倒れて見る
甲斐
(
かい
)
なきようになっておるまいか、
悪戯
(
いたずら
)
の子供らが石の上に
落書
(
らくがき
)
でもして
不作法
(
ぶさほう
)
になってはおらぬかと
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
これは向こうの蛾次郎のごとく
不作法
(
ぶさほう
)
ではなくいかにもものしずかに、いるかいないかわからぬようにしてすわっていたが、木連格子がギーッと
開
(
ひら
)
いたので、顔をさし入れた
菊村宮内
(
きくむらくない
)
と目を見あわせ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その頃の
余
(
よ
)
は西洋の礼式というものを殆んど
心得
(
こころえ
)
なかったから、訪問時間などという観念を少しも
挟
(
さしは
)
さむ
気兼
(
きがね
)
なしに、時ならず先生を襲う
不作法
(
ぶさほう
)
を敢てして
憚
(
はば
)
からなかった。
博士問題とマードック先生と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
「——
不作法
(
ぶさほう
)
。
平
(
ひら
)
に」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると由雄がまた呼びとめて、自分の父
宛
(
あて
)
の手紙を、お延の見ている前で、断りも何にもせずに、開封した。この平気な挙動がまたお延の注意を
惹
(
ひ
)
いた。彼の
遣口
(
やりくち
)
は
不作法
(
ぶさほう
)
であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
腹の中で小林の批評を
首肯
(
うけが
)
わない訳に行かなかった彼女は、それがあたっているだけになおの事感情を害した。自分の立場を心得ない何という
不作法
(
ぶさほう
)
な男だろうと思って小林を見た。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「西洋はやかましい。御前のような
不作法
(
ぶさほう
)
ものには好い修業になって結構だ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうしてその
形状
(
かっこう
)
がいかにも
不作法
(
ぶさほう
)
にでき上って、あたかも水の通り道の邪魔になるように寝たり、突っ立ったりしている。それへ水がやけにぶつかる。しかもその水には
勾配
(
こうばい
)
がついている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
不作法
(
ぶさほう
)
な裏と、奇麗な表と。
厄介
(
やっかい
)
でさあ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
作
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
“不作”で始まる語句
不作