下﨟げろう)” の例文
「刺客の使命も果さず、あまっさえ、女を奪ッて逃げた烏丸どのの下﨟げろうこそ、章房以上に、生かしてはおけぬ奴」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前栽せんざいつくろはせ給へる頃人々あまた召して御遊ぎょゆうなどありける後定家ていか中納言ちゅうなごんいまだ下﨟げろうなりける時に奉られける
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
下﨟げろうの分際だというのなら、一体貴方は何ですか、公卿からけいべつされていた刑部卿忠盛の子というだけで、十四、五の頃までは無位無官、京わらべからさえ、高平太たかへいだといわれて
一 下女を使つかうに心をもちうべし。言甲斐いいがいなき下﨟げろうならわあしくて知恵なく、心奸敷かしましくものいうことさがなし。夫のこと舅姑こじゅうとのことなど我心に合ぬ事あれば猥にそしきかせて、それを却て君の為と思へり。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
供も二、三しか連れていないし、姿も見ちがえられたが、それは後白河院の北面の下﨟げろう公朝きんともであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「滝口の下﨟げろうぐらいになって、出世したなどと、安んじていてどうするか。——眼にも、見ないか」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一北面の下﨟げろうなどへ、とつがす気はないのである。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下﨟げろうっ」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)