上田うへだ)” の例文
その火の光りでこゝにります女を見ると、年頃としごろは三十二三服装なり茶弁慶ちやべんけい上田うへだうす褞袍どてらりまして、頭髪つむり結髪むすびがみでございまして、もとに愛嬌あいけうのあるあだめいた女ですが
吾々は上田うへだへ寄つて、その日輕井澤へ行つた。停車場前の油屋といふ宿屋にとまつた。
山を想ふ (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
私共の住んでゐた上田うへだの町裾を洗つてゐる千曲川ちくまがはの河原には、小石の間から河原蓬かはらよもぎがする/\と芽を出し初めて、町の空をおだやかな曲線でくぎつてゐる太郎山たらうやまは、もう紫に煙りかけてゐた。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
始め松平まつだひら左近將監酒井さかゐ讃岐守戸田とだ山城守水野みづの和泉守若年寄わかどしよりには水野みづの壹岐守本多ほんだ伊豫守太田おほた備中守松平左京太夫御側御用人には石川いしかは近江守寺社じしや奉行には黒田くろだ豐前守小出こいで信濃守土岐とき丹後守井上ゐのうへ河内守大目附おほめつけには松平相摸守奧津おきつ能登守上田うへだ周防守有馬ありま出羽守町奉行には大岡越前守諏訪すは美濃守御勘定ごかんぢやう奉行には
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)