上半身じょうはんしん)” の例文
すると少佐はジープの中へ上半身じょうはんしんをさし入れて、ごそごそやっていたが、やがて中から一抱ひとかかえある布ぎれ細工のものをとりだした。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ただし今度は上半身じょうはんしん。少年はこの男に追いついて恐る恐るその顔を見上げる。彼等の向うには仁王門におうもん
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
バサリと血のなかにおちたのは、どうから下、上半身じょうはんしんは枝をつかんだまま、虚空こくうにみにくくとまっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
えんから上手かみてへ一だんりて戸袋とぶくろかげにはすでたらい用意よういされて、かまわかした行水ぎょうずいが、かるいうずいているのであろうが、上半身じょうはんしんあらわにしたまま、じっとむしきいっているおせんは
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
自分は、なにもかもわすれて、うしろのガラスまどへ上半身じょうはんしんをつっこんだ。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
池の左に立った少年の上半身じょうはんしん。少年の帽は咄嗟とっさあいだに風のために池へ飛んでしまう。少年はいろいろあせったのち、こちらを向いて歩きはじめる。ほとんど絶望に近い表情。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しかもその怪魚たちは、上半身じょうはんしんを水面からのりだしたまま、一ヶ所に集まってきた。そして、ひゅうひゅうというような奇妙な声をあげ、たがいに首をねじまげ、顔をくっつけあいする。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
メリヤス屋の露店を後ろにした、疲れたらしい少年の上半身じょうはんしん。少年は涙を流しはじめる。が、やっと気をとり直し、高い空を見上げながら、もう一度こちらへ歩きはじめる。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
パチパチと何かはぜるような音——春木少年はギョッとして、上半身じょうはんしんをおこしたが、そのとたん、ドカーンとものすごい音が、夜の空気をふるわしたかと思うと、山小屋がグラグラと大きくゆれた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)