一笑いつせう)” の例文
おそらくは無望塔むばうたふにやあらん。住僧の心にはしぬがいやさに無望塔のぞみなきたふなるべし。こゝに無稽むけい一笑いつせうしるして博識はくしき確拠かくきよつ。
王鎧わうがいどんなものだとつて、これ石崇せきそうしめすや、石崇せきそう一笑いつせうしててつ如意によいもつつてくだく。王鎧わうがいおほいいかる。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それに父の信之は、村方の肝煎きもいりから諸交際しよつきあひうちにゐることとては夜だけなのだ。従つて、癇癪持のお柳が一家の権を握つて、其一顰いちびん一笑いつせうが家の中を明るくし又暗くする。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
だから情熱を軽蔑しない限り、蒐集家も一笑いつせうに付することは出来ない。しかし僕は蒐集家とは別の鋳型いがたに属してゐる。同時に又革命家や予言者とも別の鋳型に属してゐる。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おそらくは無望塔むばうたふにやあらん。住僧の心にはしぬがいやさに無望塔のぞみなきたふなるべし。こゝに無稽むけい一笑いつせうしるして博識はくしき確拠かくきよつ。
圍者かこひもの相談さうだんとおぼしけれど、りて詮議せんぎおよばず。まだ此方こつちたすかりさうだと一笑いつせうしつゝ歸途きとく。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一笑いつせうせられるに相違ない。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)