“ポケット”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
衣嚢57.1%
衣袋17.9%
懐中7.1%
隠袋7.1%
衣兜3.6%
3.6%
隠し3.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
横瀬は、「ひびき」を一本、衣嚢ポケットから出して口にくわえると、火も点けないで、室内をジロジロと、眺めまわした。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
彼は、何にも文字の書いてない白紙を卓子テーブルの上に拡げると、衣嚢ポケットの中から、青い液体の入った小さい壜を取出した。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
盤得尼が出て行ってしまうと、法水は衣袋ポケットから一枚の紙片を取り出した。それには、次のような文字が認められてあった。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
法水はその調査書を衣袋ポケットに突き込んだ手で、先刻拱廊そでろうかで受け取った、硝子の破片とその附近の見取図を取り出した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
新しく土を埋めたらしく柔らかくなっている竹片を紙にくるんで懐中ポケットへ入れると台所の方へ歩いていった。
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
『あいつが戸棚の鍵を取ろうと書記の懐中ポケットへ手を突き込もうとするといつのまにか縛ってあった腕の縄を解いていたんです。……だから泡食って突いたんです』
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
小林は押問答の末、とうとう三枚のうち一枚を原の手に渡した。残る二枚を再びもとの隠袋ポケットへ収める時、彼は津田に云った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こう云った小林は、手紙を隠袋ポケットへしまい込むと同時に、同じ場所から先刻の紙幣を三枚とも出して、それを食卓の上へ並べた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
学円 (がぶがぶと茶をみ、衣兜ポケットから扇子を取って、あおいだのを、とかざして見つつ)おお、咲きました。貴女あなたの顔を見るように。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
平一郎は片方の手をズボンのポケットに突込んで、右手で和歌子の手を握っていた。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
そして黙ってチョッキの隠しポケットから小さな金時計を出して眺められていた。
ナリン殿下への回想 (新字新仮名) / 橘外男(著)