衣袋ポケット)” の例文
しかし、前室の鍵が、被害者の衣袋ポケットの中にしまわれているにもかかわらず、その扉を、いかにして犯人は閉じたのであろうか。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
盤得尼が出て行ってしまうと、法水は衣袋ポケットから一枚の紙片を取り出した。それには、次のような文字が認められてあった。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「それでは熊城君」と法水は満足そうにうなずいて、衣袋ポケットの中から、例のディグスビイの、奇文を記した紙片を取り出した。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
それから、一応ここで検屍を行うことになったが、まず前室のドアの鍵が、衣袋ポケットの中から発見された。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
と、衣袋ポケットの中から、小さな小指ほどの壜を取り出した。嗅ぐと、快い眩暈めまいを感じてくる。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
そうして余す所なく、犯行の説明を終えると、法水は衣袋ポケットから、一葉の紙片を取り出した。その刹那、彼の眼には、何かしら熱っぽい輝きが加わって、その紙片ごと、指先がわなわなと顫えた。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
が、法水は優しげに首を振り、衣袋ポケットから封筒のようなものを取り出した。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)