“ほりばた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
濠端70.2%
堀端21.3%
壕端3.2%
堀辺1.1%
濠側1.1%
濠傍1.1%
濠辺1.1%
隍端1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もやに包まれた柳並木の濠端ほりばたに沿うて、ヘッド・ライトの明るい触角を立てながら、日比谷から桜田門、三宅坂の方へと上って行った。
指と指環 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
堀端ほりばたを沿うて走るその電車の窓硝子まどガラスの外には、黒い水と黒い土手と、それからその土手の上にわだかまる黒い松の木が見えるだけであった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
江戸城の壕端ほりばた、京洛の郊外、寧楽ならの寺々、姫路の古城等、数えれば忘れ難い風景が様々眼に浮びます。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
明治倶楽部クラブとて芝区桜田本郷町のお堀辺ほりばたに西洋づくりの余り立派ではないが、それでも可なりの建物があった、建物は今でもある、しかし持主が代って、今では明治倶楽部その者はなくなってしまった。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
俊助はいろいろな臆測おくそくあいだに迷いながら、新開地のような広い道路を、濠側ほりばたまで行って電車に乗った。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ふと濠傍ほりばたの柳の木の下にうずくまっている人影に気づいた。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
外は星夜ほしづくよで風の無い静かな晩である。左へまがれば公園脇の電車道、銀之助は右に折れてお濠辺ほりばた通行ひとゞほりのない方を選んだ。ふと気が着いて自家じたくから二三丁先の或家あるいへ瓦斯燈がすとうで時計を見ると八時すぎである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ところが先達せんだってひとりで帝劇の芝居を見物にいらしった時、帰りに己がお迎いに行ったので、一緒に丸の内の隍端ほりばたを歩きながら
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)