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ぶんぐわい
二人が会合すれば、いつも尊王攘夷の事を談じて
慷慨し、
所謂万機一新の朝廷の措置に、
動もすれば因循の
形迹が
見れ、外国人が
分外の尊敬を受けるのを
慊ぬことに思つた。
自分が東京に居て台所に働く事を
恰も書斎に働くと等しく楽しい事にして居たのは、
之に
分外の時間を費さず、適当な時間を
以て簡潔に処理する習慣を養つたからであつた。
いはゞ
私も
福人の
一人、いづれも
柔順しい
子供を
持つて
育てるに
手は
懸らず
人には
褒められる、
分外の
欲さへ
渇かねば
此上に
望みもなし、やれ/\
有難い
事と
物がたられる、あの
相手は
定めし
母樣