“ひだま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
陽溜60.9%
日溜21.7%
火玉8.7%
火球4.3%
灯溜4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夫妻はどちらも白髪しらがになっていて、着ぶくれた躯の背をまるくし、陽溜ひだまりでせっせと割り竹をさばいていた。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
が、小肥こぶとりのからだをつつむゆるい黒衣の影を石階の日溜ひだまりに落したまま、しばしは黙然と耳を澄ます。
ジェイン・グレイ遺文 (新字旧仮名) / 神西清(著)
これに觀察かんさつ阿蘇山あそざん嘉元三年かげんさんねん三月三十日さんがつさんじゆうにち西暦せいれき千三百五年せんさんびやくごねん五月二日ごがつふつか)の午後四時頃ごごよじごろ地中ちちゆうから太陽たいようごと火玉ひだまみつそらのぼり、東北とうほくほうつたといふことがある。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
小さい火球ひだま雁首がんくびから勢いよく飛び出したと思ったら、坑夫の草鞋わらじ爪先つまさきへ落ちてじゅうと消えた。坑夫はからになった煙管きせるをぷっと吹く。羅宇の中にこもった煙が、一度に雁首から出た。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お品と平次と、廊下でハタと顔を合せて、無言のまま庭に飛降りると、ガラッ八の八五郎が、庭の灯溜ひだまりを指さして、もう一度爆発しそうな声を、一生懸命に噛み殺しております。