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なきさけ
これは
水揚せざる
所の
者どもこゝに
馳あつまりて、川
筋を
開き水を
落さんとする也。
闇夜にてすがたは見えねど、
女童の
泣叫ぶ
声或は
遠く或は
近く、
聞もあはれのありさま也。
私は父の影が見えなくなると
直ぐ前日
拵らへた
亭へかけ込んで、声を
惜まず
泣叫び升た。
また
子供の
咽喉を
見るので
口を
開かせたりする
時に、
子供が
泣叫び、
小さい
手を
突張ったりすると、
彼はその
声で
耳がガンとしてしまって、
眼が
廻って
涙が
滴れる。