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てふ/\まげ
友染の着物に
白茶錦の帯を
矢の
字結びにして、まだ小い頃から
蝶々髷やら
桃割を
結つて、銀の
薄の
簪などを挿して
他しごとは
思ふまじ
左るにても
君さまのお
心氣づかはしと
仰ぎ
見れば
端なくも
男はじつと
直視ゐたりハツと
俯向く
櫨紅葉のかげ
美るはしき
秋の
山里に
茸がりして
遊びし
昔しは
蝶々髷の
夢とたちて
姿やさしき
都風たれに
劣らん
色なるかは
愁ひを
南さんは
大分に大きくなるまでおけし頭でした。
併し私がまだおたばこぼんを
結つて居た時分に、南さんはおけしの中を取つて
蝶々髷に結つて居ました。