-
トップ
>
-
たびた
「
来年の
夏まで、ここへきて、ゆっくり
休むがいい。そしてまた
来年になったら、そちらへ
旅立つがいい。」といったのでした。
夏から
秋にかけて、
林や、
花園にきて
遊んでいたちょうや、はちや、
蛾や、とんぼや、せみが、だんだん
寒くなるので、
船に
乗って
暖かな
南の
国へ
旅立つのであります。
とんぼは、
嵐の
言葉にふるえて、
黙っていました。その
晩、とんぼの
小さな
魂は、
青い、
青い
空を、
上へ、
上へと
駆けていました。
遠方の、
清らかに
輝いている
星の
世界へと
旅立ったのであります。
そこで
二人は、
南の
国を
指して
雲をかすみと
旅立った。