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こころぼそ
「だが、バクスター君だけは、幼年組の
保護のために残ってくれたまえ、でないと幼年組が
心細がるだろうから」
彼には
悲愴の
感の
外に、まだ一
種の
心細き
感じが、
殊に
日暮よりかけて、しんみりと
身に
泌みて
覚えた。これは
麦酒と、
莨とが、
欲しいのであったと
彼も
終に
心着く。
「ああ、」と
女は
深い
嘆息を
吐いて、
目の
前の
血を
眺めているうちに、
急に
心細くなって、こう
言った。「
血のように
赤く、
雪のように
白い
小児が、ひとりあったらねい!」