“こえき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
古駅66.7%
孤驛33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……外套の袖を振切って、いか凧(のぼり)が切れたように、穂坂は、すとんと深更(しんこう)の停車場に下りた。急行列車が、その黒姫山の麓(ふもと)の古駅(こえき)について、まさに発車しようとした時である。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むかし唐の欧陽詢(おうやうじゆん)が馬に乗つて、ある古駅(こえき)を通りかゝると、崩れかゝつた道(みち)つ端(ぱた)に、苔のへばりついた旧(ふる)い石碑が立つてゐるのが目についた。碑の文字は瞥見(ちよつとみ)にも棄て難い味はひがあつた。
孤驛(こえき)既(すで)に夜(よる)にして、里程(りてい)孰(いづ)れよりするも峠(たうげ)を隔(へだ)てて七里(り)に餘(あま)る。……彼(かれ)は其(そ)の道中(だうちう)の錦葉(もみぢ)を思(おも)つた、霧(きり)の深(ふか)さを思(おも)つた、霜(しも)の鋭(するど)さを思(おも)つた、寧(むし)ろ其(それ)よりも早(は)や雪(ゆき)を思(おも)つた、……外套(ぐわいたう)黒(くろ)く沈(しづ)んで行(ゆ)く。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)