“げきじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
激甚60.0%
劇甚40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの洋裁学院の附近が最も被害激甚げきじんであって、妙子が無事であるかどうかすこぶ心許こころもとないこと、憂慮のあまり夫に頼んで、兎も角も行ける所まで行って見て貰うことになり
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
勘次かんじとなくとなく田畑たはたあるいて只管ひたすらこゝろなやましたが、やうや自分じぶん田畑たはた作物さくもつわづか損害そんがいをはつたことをたしかめたときかれ激甚げきじん被害地ひがいち状况じやうきやう傳聞でんぶんして自分じぶんむしさいはひであつたことをひそかよろこんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「震災後二年を隔てゝ夏秋の交に及び、先生時邪に犯され、發熱劇甚げきじんにして、良醫交〻こも/″\きたしんし苦心治療を加ふれど効驗なく、年八十にして七月十八日溘然かふぜん屬纊ぞくくわう哀悼あいたうを至す」
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
主人の逆上も小事件に逢う度に一層の劇甚げきじんを加えて、ついに大事件を引き起したのであるからして、幾分かその発達を順序立てて述べないと主人がいかに逆上しているか分りにくい。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)