“けんけん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ケンケン
語句割合
喧々33.3%
涓々16.7%
眷々16.7%
妍々11.1%
惓々5.6%
惓惓5.6%
拳々5.6%
蹇々5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
口取の右馬介にいわれて、気がつくと、身はいつか、喧々けんけんたる闘犬の声、見物人のどよめき、耳もと近い太鼓の音など——黄塵こうじん万丈の中に来ていた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
磨き出したような十日月が涓々けんけんと湖上に照り、風は蘆荻ろてきを吹いて長葉を揺らめかす。四辺𨵙げきとして、聞えるものはオールの音のみ。陶は艇首に坐り、首を垂れて一言も言わぬ。俺も言わぬ。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
眷々けんけんの情に堪えざるを、今日のみは、これより夜を徹せん覚悟なれば、悠々として帰心の清興を乱す無く、殊に愈本時刻に入るを喜ぶは、夜行して暁天に近づくを喜ぶに同じく、得意の興趣
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
さすれば、妍々けんけんたる花容も囀々てんてんたる鶯声おうせいも、みな宇宙の大精神の照応にして、仏書にいわゆる
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
彼は野山の獄中にありて、つねに象山に惓々けんけんたりき。彼は象山に対して師弟のよしみあるのみならず、知己の感すこぶる深かりき。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
孝孺のちに至りて此詩を録して人にしめすの時、書して曰く、前輩せんぱい後学こうがくつとめしむ、惓惓けんけんこころひとり文辞のみにらず、望むらくはあいともに之を勉めんと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
『うわアリャリャリャ。拳々けんけん安かア安かア安かア。両拳りゃんこ両拳両拳。うわアリァリァ安か安か安か』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
蹇々けんけんして歩行の困難のことは筆紙にはとても尽し難い、時々木の間から平ヶ岳の雄大な絶頂が右の方に露われる、しばらくで尾根の頂上に出て左の方に燧岳が聳立しょうりつしてはいるが
平ヶ岳登攀記 (新字新仮名) / 高頭仁兵衛(著)