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くさいろ
草色の
薔薇の花、海の色の
薔薇の花、ああ
海のあやしい
妖女の
臍、
草色の
薔薇の花、波に漂ふ不思議な
珠玉、指が
一寸觸ると、おまへは唯の水になつてしまふ、
僞善の花よ、
無言の花よ。
湾内の水は
草色の
氈を敷き詰めた如く、大小幾百の船は
玩具の様に
可愛い。概して鳥瞰的に見る都会や港湾は美でないが、
此処のは反対に美しい。
(
尖へ
玉のついた
長杖を
突き、
草色、
石持の
衣類、
小倉の
帯を
胸高で、
身の
丈六
尺あまりもあらうかと
云ふ、
大な
盲人)——と
云ふのであるが、
角帯を
胸高で
草色の
布子と
来ては