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きやうや
夫より
両国尾上町、
京屋が
楼上に
集会する事十
歳あまり、
之を聞くものおれ
我れに語り、今は
世渡るたつきともなれり、
峨江初は
觴を
泛め、
末は
大河となる
噺も
末は
金銭になるとは
馳せ
出す
車一散、さりながら
降り
積る
雪車輪にねばりてか
車上の
動搖する
割に
合せて
道のはかは
行かず
萬世橋に
來し
頃には
鐵道馬車の
喇叭の
聲はやく
絶えて
京屋が
時計の
十時を
報ずる
響空に
高し