“がゆ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
87.9%
9.1%
1.5%
1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとり苦笑くせうする。のうちに、何故なぜか、バスケツトをけて、なべして、まどらしてたくてならない。ゆびさきがむづがゆい。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そんなにされながらもはや生への執著も後に残る心配もなく、あすのおやつの果物の注文や好物のあずきがゆのことなど考えながらこの世を去ってゆく母は。
母の死 (新字新仮名) / 中勘助(著)
両倒れのていで、甲府を引上げるようになってしまったから、お絹としては、未練というようなものが残って、おりにふれてはむずがゆい思いにたえられなかったのです。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
目がむずがゆいようになると、本を閉じて外を見る。汽車の進行する向きが少し変って、風がけむりを横に吹きなびけるものと見えて、窓の外の闇を、火の子が彗星すいせいの尾のように背後へ飛んでいる。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)