“おんち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
御地35.7%
音痴28.6%
御乳7.1%
御血7.1%
恩地7.1%
恩智7.1%
温知7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
髪の毛も大方は白髪しらがになるにつき心まで愚痴に相成候と見え、今年のくれには御地おんちへ参られるとは知りつつも、何とのう待遠にて、毎日ひにち指のみ折暮らし※
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
馬鹿の宇八といふのは、町内の厄介者、本人は決して馬鹿ではないと威張るのですが、調子が變で、藪睨やぶにらみで、音痴おんちで、何んとなく釘が一本足りない男。
ここの押絵のうちに、夫人が姿見のもとに、黒塗の蒔絵のたらいを取って手水ちょうずを引かるる一面がある。真珠を雪に包んだような、白羽二重で、膚脱はだぬぎ御乳おんちのあたりをってある。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御主おんあるじ耶蘇様イエスさま百合ゆりのやうにおしろかつたが、御血おんちいろ真紅しんくである。はて、何故なぜだらう。わからない。きつとなにかの巻物まきものいてあるはずだ。
楠氏なんしの一族の恩地おんち太郎、その人の遠縁にあたるところの、恩地宗房むねふさの館なのであるが、主人と家来とはうち揃って、赤坂城へ入城した。女子供は和泉いずみあたりの縁者のもとへ立ちのいた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そういう時代に、博文館から日本文字全書、温知おんち叢書、帝国文庫などの翻刻物を出してくれたのは、われわれに取って一種の福音ふくいんであった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)