“おんきやう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オンキヤウ
語句割合
御経50.0%
音響50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父君は、家の内に道場を構へて居たが、簾越しにも聴もんは許されなかつた。御経おんきやうもんは手写しても、固より意趣は訣らなかつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
されば馬太またい御経おんきやうにもしるいた如く「心の貧しいものは仕合せぢや。一定いちぢやう天国はその人のものとならうずる。」
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
油火あぶらびのかすかな光の下で、御経おんきやう読誦どくじゆし奉つて居つたが、たちまちえならぬ香風が吹き渡つて、雪にもまがはうず桜の花が紛々とひるがへいだいたと思へば、いづくよりともなく一人の傾城けいせい
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「ごへんは御経おんきやうの文句を心得られたか。」
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
この風やこの雨には一種特別の底深そこぶかい力が含まれてて、寺の樹木じゆもくや、河岸かはぎしあしの葉や、場末ばすゑにつゞく貧しい家の板屋根いたやねに、春や夏には決して聞かれない音響おんきやうを伝へる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
突如とつじょ鉛色なまりいろ地平ちへいにぶ音響おんきやう炸裂さくれつする