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うけをさ
聞上は假令夫婦になられずとも本望なり
然ば此品
暫時借用申すと
受納め立歸らんとするにお菊は
涙を
浮め此程より申せし通り
父御は御身を入ず
外より金を持參の
聟を
彼是と云れては
却て痛み入なり平に
受納めらるべしと
種々に云ければ忠八今は
辭し
難く二包の金子を
押戴き
然ば是にてお別れ申さんと云を佐太夫も止め
兼て
呉々も
首尾能本望を
得心せず
少しなれども
御請納下されねば申
難しと
達て
差出す故然ば仰に隨はんと
受納め扨御用の
筋はと
尋ねしに彦三郎
御二
階にて
内々御聞申
度人の耳へ入れては宜からずと申に付子供と
云怪み
乍ら助十を