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いひだまち
時はあるもの
飯田町の
學校より
歸りがけ、
日暮れ
前の
川岸づたひを
淋しく
來れば、うしろより、
掛け
聲いさましく
駈け
拔けし
車のぬしは
令孃なりけり、
何處の
歸りか
高髷おとなしやかに
見附を
入つて、
牛込から、
飯田町へ
曲るあたりの
帳場に、(
人力)を
附着けて、
一寸(
分)の
字の
形にしたのに、
車をつくりに
添へて、
大きく
一字にした
横看板を、
通りがかりに
見て、それを
先生に