“いのちがけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
命懸44.4%
生命懸22.2%
命賭11.1%
命掛11.1%
懸命11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大阪天滿てんまの邸には四宮市兵衞が殘つて、豐臣方の奉行等に對して命懸いのちがけ分疏いひわけをした。
栗山大膳 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
それをんなたすいたところは、夜一夜よひとよ辿々たど/\しく、山路野道やまみちのみちいばらなか徉徜さまよつた落人おちうどに、しらんだやうでもあるし、生命懸いのちがけ喧嘩けんくわからあはたゞしく抜出ぬけだしたのが、せいきて疲果つかれはてたものらしくもある。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かぢ「あらまアどうも、親方が命賭いのちがけで気を揉んで、お前のために騒いで居るのに、浮気をして心中なぞをするのなんのってサ」
それに見知りにんも有るから何んのお手先を頼むには及ばん、己が探すと仰しゃって、御親切に侍に突当って刀をぎ取って、人のために命賭いのちがけでお刀の詮議をして下さいましたが、まだ知れません
妊娠のわずらい、産の苦痛くるしみ、こういう事は到底とうてい男の方に解る物ではなかろうかと存じます。女は恋をするにも命掛いのちがけです。しかし男は必ずしもそうと限りません。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
相手が無限ならば、こっちも無限の力を出して、行く。無限に対するこの懸命いのちがけの働きそのものの上に、言い知れぬ悲壮な気持ちと、使命に殉じている安心光明が油然と胸中に湧くのであります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)