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あんちよく
いや、
色氣どころか、ほんたうに
北山だ。……
湯どうふだ。が、
家内の
財布じりに
當つて
見て、
安直な
鯛があれば、……
魴鮄でもいゝ、……
希くは
菽乳羮にしたい。
私は、
安直な
卷莨を
吹かしながら、
夜番の
相番と、おなじ
夜の
彌次たちに
此の
話をした。
それは二十弗あつたら、
接吻と、酒と、今一つ料理さへ味はふ事の出来る
安値な世界がこの世の中にあるといふ事である。
安値の
報酬で
學科を
教授するとか、
筆耕をするとかと、
奔走をしたが、
其れでも
食ふや
食はずの
儚なき
境涯。