“おど”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オド
語句割合
22.7%
18.5%
16.2%
12.1%
10.5%
7.0%
2.3%
1.7%
威嚇1.3%
1.0%
1.0%
0.6%
0.6%
0.6%
0.5%
0.4%
滑稽0.4%
0.2%
0.1%
0.1%
小門0.1%
0.1%
親爺0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
威赫0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
親父0.1%
0.1%
威迫0.1%
小戸0.1%
0.1%
恐喝0.1%
0.1%
0.1%
脅威0.1%
諧譃0.1%
輕蔑0.1%
道化0.1%
驚殺0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論、兇器きょうきは離さない。うわそらの足がおどつて、ともすれば局の袴につまずかうとするさまは、燃立もえた躑躅つつじの花のうちに、いたちが狂ふやうである。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
父はもう片足の下駄げたを手に取っていた。そしてそれで母を撲りつけた。その上、母の胸倉むなぐらつかんで、崖下がけしたき落すと母をおどかした。
江戸の侍の機嫌を損じると店の商売にかかわるばかりか、どんなとがめを受けるかも知れぬぞと、彼女は主人からおどされて来たのである。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「おせっかいだっちゃありゃしない」荒木夫人は、おどしつけるようにいったけれど、あなたは、めげずにめつけて、声を張りあげ
少年・春 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
はっと思うたが及ばない、見れば猪口は一つおどって下の靴脱くつぬぎの石の上に打付ぶつかって、大片おおきいのは三ツ四ツ小片ちいさいのは無数にくだけてしまった。
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まったくインデアンは半分はんぶんおどっているようでした。第一だいいちかけるにしても足のふみようがもっと経済けいざいもとれ本気にもなれそうでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「はあ。社長は決して動じないとお答えになったばかりか、おどかしても宜い、決して大変と言わないと仰有ったのでございます」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
するとおどろいたことは学校帰りの子供らが五十人も集って一列になって歩調をそろへてその杉の木の間を行進してゐるのでした。
虔十公園林 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
威嚇おどしたり、すかしたりして、どうにかして彼女の機嫌を直し氣を變へさせようと焦りながらも、鞄を肩に掛け、草履袋ざうりぶくろを提げ
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
海岸からはだいぶ道程みちのりのある山手だけれども水は存外悪かった。手拭てぬぐいしぼって金盥かなだらいの底を見ていると、たちまち砂のようなおりおどんだ。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
黄金こがね作りの武田びし前立まえだて打ったる兜をいただき、黒糸に緋を打ちまぜておどした鎧を着、紺地の母衣ほろに金にて経文を書いたのを負い、鹿毛かげの馬にまたがり采配を振って激励したが
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
今日は高知こうちから、何とかおどりをしに、わざわざここまで多人数たにんず乗り込んで来ているのだから、是非見物しろ、めったに見られないおどりだというんだ
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……ついあひだとんさんにつて、はなしると、十圓じふゑんおどかすより九九九くうくうくうはうが、音〆ねじめ……はいきぎる……耳觸みゝざはりがやはらかで安易あんいい。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そのとき車夫はいっせいに吶喊とっかんして馬をおどろかせり。馬はおびえて躍り狂いぬ。車はこれがために傾斜して、まさに乗り合いを振り落とさんとせり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
何かにおどされたやうな気がしたのである。「女房は俺の不甲斐なさを切りに嘆いてゐる。あいつは此頃になつて漸く俺と結婚したことをほんとうに後悔し始めたらしい。」
素書 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
と、ここで私はおどけた調子で口をはさんだ。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
その度にきやつきやと笑ふので小犬等もまた食卓をにぎはす一つに成つて居る。楽天的な滑稽おどけた家庭だ。これが純巴里パリイ人の性格の一種を示して居るのであらう。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
たくむ者あり又顏色おどろにして恐ろしなる者も心はまことに竹をわりたる如き善人あり或ひは言葉を巧みに人を罪に落とすもあり又おのれ十分の理を持ながら訥辯とつべんの爲に言伏られて無實むじつつみおつるもあり其善惡そのぜんあく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「そうが。ほんでは、おども辛抱して、にしあ出世してけえるまで、ほんの少しでも、自分の土地だっちもの買って置くがんな。」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
首と衣を手に入れた山賊は、暫くその二品ふたしな資手もとでに、木曾街道の旅人をおどしていたが、間もなく諏訪すわの近くへって首の由来を聞いた。山賊は青くなった。
轆轤首 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
筑紫つくし日向ひむかたちばな小門おどのアハギはらにおいでになつてみそぎをなさいました。
なに、あいつらはそんなことにおどっかする人間ではございません。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「おい、親爺おど、ゴム!」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
あの桃いろのスカアトを跳ね跳ねして、まるで乳房の張った馴鹿トナカイのようにおどっているのは。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「さあ、いぎおどないがけあな。くぢいやうだけあな。」
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
手足ふるはせのぼりゆくおどけ人形のひとおどり。
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
雪のふるに、おどけしは
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
お園を威赫おどかす材料たねにと、鹿子を欺き、助三に、与へるものと偽つて、取出したるものぞとは、神ならぬ身の、お園は知らず。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
... 殺すと威赫おどさせたら、お園が退かふといふのかえ』『もし奥様、お声が高うござりまする。お竹もどふやら帰つた様子。ここ四五日に埓明けずば、こちらが先に破れませう』
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
町幅のだだっ広い、単調で粗雑がさつな長い大通りは、どこを見向いても陰鬱に闃寂ひっそりしていたが、その癖寒い冬の夕暮のあわただしい物音が、さびれた町の底におどんでいた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お島は傍へ寄って来る小野田の手に、からみつくようにして、あかおどうるんだ目を見据えていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ただいたずらに政府の威光を張り人をおどして人の自由を妨げんとする卑怯なる仕方にて、実なき虚威というものなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かかる愚民を支配するにはとても道理をもってさとすべき方便なければ、ただ威をもっておどすのみ。西洋のことわざに「愚民の上にからき政府あり」とはこのことなり。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この頭の上をおどり廻る裸形のダンサー……ああ、とても罪なことに、その中には○○も○○もあらゆる階級の人が
足の裏 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
何んにも知らずにおどっているのです……に放心したような月日を送っていた景岡秀三郎も、興味的にのみ眺め暮していたのが、いつとはなく観察的にそれ等を見るようになったのでした。
足の裏 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「こんだ親父おど抱いて寝てやるど」——漁夫がベラベラ笑った。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「さ、親父おどのどこさ来い」
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
この男は少し変りもので、横着もので、随分人をひやかすような口ぶりをする奴ですから、『殴るぞ』と尺八を構えておどす真似をしますと、彼奴きゃつ急に真面目になりまして
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
おにのやうになつて、威迫おどしたんでせう。
万頃ばんけいの豊田眼路めじはるかにして児孫万代を養ふに足る可く、室見川むろみがわの清流又杯をうかぶるにへたり。衵浜あこめはま小戸おどの旧蹟、芥屋けやいくの松原の名勝を按配して、しかも黒田五十五万石の城下に遠からず。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
『今昔物語集』巻五第二十一語に天竺てんじくの山に狐と虎住み、その狐虎の威を仮りて諸獣をおどす、虎行きて狐を責め狐恐れて逃ぐるほどに井に落ちたとありて
お勢はこの事を不平に思ッて、或は口を聞かぬと云い、或は絶交すると云ッて、恐喝おどしてみたが、昇は一向平気なもの、なかなかそんな甘手ではいかん。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と、言葉尻が泣声で切れて、ひょいとねるように両袖で顔を隠した。何だかおどけたように見えつつも、私はひしと胸を打たれる。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
朝鮮おどしの金モール燦然さんぜんたる飴売あめうり服や、四角八面のフロックコートを一着に及んで、左様さよう然らばの勲何等かぜを吹かせるのが、どう考えても吾輩の性に合わなかったんだね。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
亜米利加の町にはギャングとかガメンとかいう奴がどこにでも居て昼日中でも強盗や人浚ひとさらいをやらかす。気の弱い奴と見たらピストルで脅威おどかして大盗賊おおどろぼうや密輸入の手先にしちまうから気を附けろ。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
窟の中央の窪んだ処に諧譃おどけた人物が寄つて、尖柱戯(向うに立てゝあるとがつた木の柱を、こちらから木の丸をころがし掛けて倒す戯)
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
打たれて擲かれて輕蔑おどされて、はては道ゆく車の輪にかけられて、今一歩の違ひにては一生の不具にもなるべき負傷の揚句、あはれか愛やと救ひあげられし大恩の主樣とても浮世はおなじ秋風に
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
可憫そうなチャンチャン坊主は、故意に道化おどけて見物の投げた豆を拾い、猿芝居のように食ったりした。それがまた可笑おかしく、一層チャンチャン坊主のあわれを増し、見物人をよろこばせた。
四八じゆこそ鬼になり給ひつれと、連忙あわただしく逃げさりぬるのちは、よな々里に下りて人を四九驚殺おどし、或は墓をあばきてなま々しきかばねくらふありさま、まことに鬼といふものは昔物がたりには聞きもしつれど