黄鉞こうえつ)” の例文
白眉朱面はくびしゅめん金鎧きんがいまばゆきばかり装って、毅然きぜんと突っ立ち、手に黄鉞こうえつを杖ついて、八方を睨まえ、かりそめにも軍門をみだりに出入なすを許しません。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
式場に三重の壇を築き、五方に旗を立てて、白旄はくぼう黄鉞こうえつ兵符へいふ印綬いんじゅなどを捧持する諸将の整列する中を、袁紹は衣冠をととのえ、剣をいて壇にのぼり
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一戦一進、蜀陣はかばねの山を越え、血の流れを渡って進んだ。帝座のあたりを守る白旄はくぼう黄鉞こうえつ、また黄羅こうら傘蓋さんがいまで、ことごとく凍って、水晶の珠簾しゅれんが揺ぎ進むようだった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして呉王孫権手ずから剣を授け、また白旄はくぼう黄鉞こうえつ印綬いんじゅ、兵符などすべてをまかして
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その大船のには、「すい」の字を大きく書いた旗を立て、いしゆみ千張と黄鉞こうえつ銀鎗ぎんそうを舷側にたてならべ、彼は将台に坐し、水陸の諸大将すべて一船に集まって、さかんなる江上の宴を催した。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こうした祭壇の下にはまた、旌旗せいき宝蓋ほうがい大戟たいげき、長槍、白旄はくぼう黄鉞こうえつ朱旛しゅはんなどを持った兵士二十四人が、魔を寄せつけじと護衛に立つなど——何にしてもこれは途方もない大形おおぎょうな行事であった。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)