黄母衣きほろ)” の例文
これははなやかな甲冑かっちゅう陣太刀じんだちのよそおいで、黄母衣きほろ白母衣しろほろ赤母衣あかほろ、をにながし、ゆるいにじのように場内じょうないを一しゅうした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄母衣きほろを一つ揺上ゆすりあげて
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて待たせておいた黄母衣きほろ以下の先頭に立って悠々と行く彼のうちに、そんな毒が在るとはたれの目にも見えない。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中でも一トきわ目についたのは、佐々木道誉の黄母衣きほろ組の美々しさだった。彼も急遽、近江からこれに会して
道誉は、腹心の黄母衣きほろ組の十一騎に、輦輿れんよの前後を守らせ、自身は、昨日あたりから、列の尾端に付いていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうだ、明朝、勝入がこれへ来るのを待つまでもなく、夜のうちに、黄母衣きほろ(使者)の者をやっておこう」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……とうとうたる太鼓たいこ……かたのごとき黄母衣きほろ赤母衣あかほろ白母衣しろほろ伝令でんれいが、番外ばんがいの五番試合じあい各所かくしょひかじょへふれて、にじのように試合場しあいじょうのまわりを一じゅんする……
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大谷平馬おおたにへいま丹羽鍋丸にわなべまる。ふたりして、これを黄母衣きほろ(使番)の加藤孫六かとうまごろくへあずけ、三名、同道のうえ、すぐ犬山城の勝入へ手わたしてこい。——返書には、及ばぬ」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よしよし。助けとらせる。……何も、成政とて、決して、悪い人間ではないからの。殊には、父信長も、黄母衣きほろの一使番つかいばんから取りたてて、ずいぶん目をかけてきた男じゃ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄母衣きほろ赤母衣あかほろ白母衣しろほろの三試合場しあいじょうを一じゅんし、大講会だいこうえ第一番の試合番組しあいばんぐみをふれてくるともなくかいあいずと同時に、あの祭壇さいだんの下にある大講会のむしろへ論客ろんかくがあがって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉は、たちまち味方の各陣地へ、黄母衣きほろの者を飛ばして、非常令をつたえ、それから、半刻もたたないうちに、二万の兵が、ここ楽田がくでんを発して、長久手ながくての方へ、いそぎ出した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道誉の巡視隊は、れいの黄母衣きほろ組十二騎以下、歩兵五十人ほどをつれていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『おっ、うしろから黄母衣きほろが来たぞっ、道を寄れ』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄母衣きほろの者を組め。巡察に出るぞ」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄母衣きほろが通る——
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄母衣きほろ護送
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)