骨節ほねぶし)” の例文
竹童はもうそういう言伝ことづてなどを、じッと、聞いていなかった。どこか、骨節ほねぶしがつよくいたむのであろう、キッと口をゆがめながら、松にすがって立ちあがった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わしだつて何も晴れや自慢で、後家を通してるわけぢやなえよ。骨節ほねぶしの痛んで寝られなえ晩なんか、莫迦意地を張つたつて仕かたがなえと、しみじみ思ふこともなえぢやなえ。
一塊の土 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
つかすてしとは何ごとぞや十兩からは大金たいきんなるぞ夫を何ぞやつかこみらぬ顏して主人の大膽者だいたんものめと有合ありあふ十露盤そろばんおつ取て久八を散々さん/″\打擲ちやうちやくすを側に見て居る千太郎は我が骨節ほねぶし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「さだめて今お前の身には、骨節ほねぶしがところどころ痛むであろうな、終いには身体からだが腐ってしまうぞ。それが怖ろしいからここへ来たものであろうが、まだまだ罪が消えてはいないによって、あちらへ行っているがよい」
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
此の鐵のやうな骨節ほねぶしをみろ
と人浪を掻き分けてきた骨節ほねぶしの強そうな六部姿の町奴まちやっこ二人、ばらばらッと幕の中へ飛び込もうとする様子なので、客呼びの源七は慌てて二人の袖を引ッ掴んだ。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)