トップ
>
駻馬
>
かんば
ふりがな文庫
“
駻馬
(
かんば
)” の例文
一度
(
ひとた
)
び
手活
(
てい
)
けの花にして眺めると、地味で慾張りで
食辛棒
(
くいしんぼう
)
で、その上焼餅やきで口数が多くて、全く手の付けようのない
駻馬
(
かんば
)
と早変りするのです。
猟色の果
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが二十円になったときには村のものらは眼を見張ったものだが、今は誰もが、暴れ放された
駻馬
(
かんば
)
を見るように田の面を見ているばかりである。
夜の靴:――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師)
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
馬
(
うま
)
といふ
奴
(
やつ
)
はあの
身體
(
からだ
)
で
酒
(
さけ
)
の二
杯
(
はい
)
も
口
(
くち
)
へ
入
(
いれ
)
てやると
忽
(
たちま
)
ちにどろんとして
駻馬
(
かんば
)
でも
靜
(
しづか
)
に
成
(
な
)
る、
博勞
(
ばくらう
)
は
以前
(
いぜん
)
はさうして
惡
(
わる
)
い
馬
(
うま
)
を
嵌
(
は
)
め
込
(
こ
)
んだものである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
髪の毛がちぢれて赤く、ちよん髷ぐらゐに小さく結んで、年中親爺をどなりつけながら、
駻馬
(
かんば
)
のやうな鼻息である。
古都
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
すぐそこへ来た
駻馬
(
かんば
)
は、高氏の手綱にしぼられ、相寄ろうにも、急には自由にならなかった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
じっさい、ブロムは、悪いことばかりする
駻馬
(
かんば
)
に好んで乗るので評判が高かった。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
今、二騎の侵入兵が、その
駻馬
(
かんば
)
を躍らせて、
颯
(
さっ
)
とばかりに飛び込んで来たが、逃げ惑う一人の若い信徒を、両馬の間へ追い詰めると、馬上ながら手を延ばし、あッと云う間に引っ
攫
(
さら
)
った。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
平次と八五郎と、それを案内して來た下男の
磯松
(
いそまつ
)
が、三頭の
駻馬
(
かんば
)
のやうに、彈みきつて驅け込むと
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
年中
駻馬
(
かんば
)
の鼻息でキイ/\声をふりしぼりながら、竈の前で親爺をこき使つてゐるのである。
孤独閑談
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
追手の武士七人の
駻馬
(
かんば
)
は、瞬たく間にそこへ近づいて来た。——と見て、新九郎は
引
(
ひ
)
っ
提
(
さ
)
げていた玄蕃の首を門前から松平家の囲いの中へ塀越しにポンと投げ込んでしまった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
読みながら、
駻馬
(
かんば
)
と鼻をつきあわしているようで、そういう面くらった面白さはあった。
我が人生観:07 (七)芥川賞殺人犯人
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
と
気転
(
きてん
)
をはたらかせていたら、
駻馬
(
かんば
)
の一ムチ、天皇はその日に
囚
(
とら
)
われていたことだろう。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
師直はあわてて、もいちど、藤夜叉の肩ごしに、ひと言ふた言、柄にもない優しいことばを
咡
(
ささや
)
いていた。そして、
駻馬
(
かんば
)
の如く身をひるがえすやいな彼方の疎林の下を駈けくぐって行ってしまった。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“駻馬”の意味
《名詞》
気性が荒く御しがたい馬。
(出典:Wiktionary)
駻
漢検1級
部首:⾺
17画
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
“駻”で始まる語句
駻
駻婦
駻気