おどろか)” の例文
中にカラブリアうまれの一美人ありて、群客の目をおどろかせり。その美しき黒き瞳はこれに右手めてを借したる丈夫ますらをの面に注げり。是れララと我となり。
彼はに夢ならでは有得べからざるあやしき夢にもてあそばれて、みづからも夢と知り、夢と覚さんとしつつ、なほねむりの中にとらはれしを、端無はしなく人の呼ぶにおどろかされて、やうやものうき枕をそばだてつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すべて大材たいさいもちふる事目をおどろかせり、これ皆雪につぶれざるの用心なりとぞ。
黄金こがね織作おりなせるうすものにも似たるうるはしき日影をかうむりて、万斛ばんこくの珠を鳴す谷間の清韻を楽みつつ、欄頭らんとうの山を枕に恍惚こうこつとして消ゆらんやうに覚えたりし貫一は、急遽あわただし跫音あしおとの廊下をうごかきたるにおどろかされて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
すべて大材たいさいもちふる事目をおどろかせり、これ皆雪につぶれざるの用心なりとぞ。