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馳行
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はせゆき
呼れ白子屋家内を
檢査清三郎を
捕へ來れと下知せられしかば同心
馳行て
檢査しに清三郎は
逐電せし樣子なれど
道具中斯樣の品
有しと其品々を
介抱せよと言置て尻引からげ
馳行けり
然なきだに
白晝さへ人通りなき相良の
裏道殊に夜中なれば人里遠く
麥搗歌鳥の
宵鳴遙かに聞え前は名に
負大井川
海道一の早瀬にて
蛇籠を
飛出しける故主は何事なるやと
狼狽ながら後より
追馳行しに其
疾き事
飛が如く
勿々追着事能はず待ね/\と
呼止れど靱負は一向
耳にも入ず足に任せて
馳行しが
頓て
海邊に到り
波の上を
馳行事
陸地を