香氣かうき)” の例文
新字:香気
みどりかみかつらまゆ皓齒かうしあたか河貝かばいふくんで、優美いうび端正たんせいいへどおよぶべからず。むらさきかけぬひあるしたうづたまくつをはきてしぬ。香氣かうき一脈いちみやく芳霞はうか靉靆たなびく。いやなやつあり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私は何か香氣かうきあるものをはじめて味つた。飮むとあたゝかくて、新鮮な香り高い酒のやうだつた。そして後味あとあぢつぱく、腐敗して毒を呑まされたやうな氣持ちだつた。
あなたの心に取りついて、香氣かうきのやうに得ようとすれば避けて——私があなたの匂ひを吸ひ込まぬ内にあなたは消えてしまふだらう。おゝ、おいで、ジエィン、おいで!