頑丈ぐわんぢやう)” の例文
平次とガラ八が一と骨折つて頑丈ぐわんぢやうなフイゴこはしました。中から出たのは、ザクザクと眞新しい小判、ざつと小千兩もあるでせう。
かれなやまされた僂麻質斯レウマチス病氣びやうき性質せいしつとしてかれ頑丈ぐわんぢやう身體からだから生命せいめいうばるまでにちからたくましくすることはなく
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
すると軌道レール沿ふて三にん田舍者ゐなかもの小田原をだはら城下じやうかるといふ旅裝いでたちあかえるのはむすめの、しろえるのは老母らうぼの、からげたこし頑丈ぐわんぢやうらしいのは老父おやぢさんで
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
だんだん近くなりますと、それは頑丈ぐわんぢやうさうな変に小さな腰の曲ったおぢいさんで、一枚の板きれの上に四本の鯨油蝋燭げいゆらふそくをともしたのを両手に捧げてしきりにう叫んで来るのでした。
毒蛾 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
食卓を通り過ぎる時、一人の先生がおかゆの鉢を手にとつて味はつてゐるのを見た。その先生は他の先生の方を見た。先生の顏にはみんな不快な色が浮んだ。中で、頑丈ぐわんぢやう身體からだつきの先生が呟いた——
見上げる限り、頑丈ぐわんぢやう
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
文六は五十二三の頑丈ぐわんぢやうな男で、細かい企みなどの出來さうな男ではなく、彌八も典型的な炭問屋の下男で、房吉と同じやうに、鼻の穴を眞つ黒にしてをります。
またひとりの若い頑丈ぐわんぢやうさうな柏の木が出ました。
かしはばやしの夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
六十近い大きな老爺ですが、頑丈ぐわんぢやうさうな腰を二つに折つて、ひどく物におびえてゐる樣子です。
番頭の爲之助は、薄暗いうちでも、八五郎とわかつたらしく、一緒になつて板戸を押しましたが、これがまた恐ろしく頑丈ぐわんぢやうで、大の男二人の力でも、打ち破る見込みもありません。
銭形平次捕物控:282 密室 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
多分、曲者は何かの工夫で土藏の中に忍び込み、頑丈ぐわんぢやうなつくりで、足音もしないのを幸ひ、非常な注意で二階に登り、有明の行燈の光りで、一氣に主人の咽喉のどをゑぐり、左の大動脈を切つたのでせう。