青道心あおどうしん)” の例文
青道心あおどうしんの小坊主め。お前一人は親の味をよう盗まなかったのか。気の毒な奴だな。」
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
簪纓しんえいなげうち棄て、耀かがやける家柄をも離れ、木の端、竹のきれのような青道心あおどうしんになって、寂心のもとに走り、其弟子となったのは、これも因縁成熟じょうじゅくして其処に至ったのだと云えば、それまでであるが
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ですから、わたくしはまず、自分の生命を、愛することから、修行してゆこうとする青道心あおどうしんにすぎませぬ。衆生を助けるなどの仏知も、神異の才も、わたくしには、持ち合わしておりません。
年紀としは源助より大分わかいが、仔細しさいも無かろう、けれども発心をしたように頭髪をすっぺりと剃附そりつけた青道心あおどうしんの、いつも莞爾々々にこにこした滑稽おどけた男で、やっぱり学校に居る、もう一人の小使である。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「京弥、青道心あおどうしんを始末せい!」
脂肪の多い向日葵の実は、この俄仕立にわかじたて青道心あおどうしんのこの上もない餌となるので、それを思うと、私はこの種子を収める場合に、いつも余分のものをなるべく多く貯えなければならなくなる。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)
げたのだらう。月に青道心あおどうしんのやうで、さつきからだんま老人としより
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)