露宿ろしゆく)” の例文
まさに大雨を下さんとす、明夜尚一回露宿ろしゆくをなさざれば人家ある所にいたるをず、あます所の二日間尚如何なる艱楚かんそめざるべからざるや、ほとん予測よそくするを得ず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
相憐あひあはれんで曰く泣面なきづらはちとは其れ之をふ乎と、午後五時井戸沢山脈中の一峯にのぼ露宿ろしゆくる、高四千五百尺、かへりみれば前方の山脈其中腹ちうふく凹所わうしよに白雪を堆くし、皚々眼を射る
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
大に愉快ゆくわいの色をあらはし、つ未だみみにだもせざる「ぶらんでー」の醇良じゆんりやうを味ふを得、勇気いうきとみに百倍したり、じつに其愉快ゆくわいなる人をして雪点せつてんちかき山上にありて露宿ろしゆくするなるかをわすれしむ。
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)