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震盪
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しんとう
ふりがな文庫
“
震盪
(
しんとう
)” の例文
金盥の中の水は
後
(
あと
)
から押されるのと、上から打たれるのとの両方で、静かなうちに微細な
震盪
(
しんとう
)
を感ずるもののごとくに揺れた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
藤堂駿平が面白い小説をかくようにという、それにたいして返答に困った伸子のこころはソヴェトの未知の生活のなかで、どんなに
震盪
(
しんとう
)
され、動いてゆくのだろう。
二つの庭
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ジャン・ヴァルジャンは
困憊
(
こんぱい
)
して家に帰ってきた。そういう遭遇は彼にとっては大きな打撃であり、そのために心に残された思い出は、彼の全身を
震盪
(
しんとう
)
するかと思われた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
墜落と
震盪
(
しんとう
)
のために、生来の癲癇持ちであるスメルジャコフにその発作が起こったものか——その辺の事情はついに知るよしもなかったが、とにかく、人々は彼が穴蔵の底で
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
それは物が結晶する前に
先
(
ま
)
ずなければならぬ
震盪
(
しんとう
)
の如きものである。
人生論ノート
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
▼ もっと見る
人間の霊肉を根本から
震盪
(
しんとう
)
するものではあっても、人間の裡にある生活力は多くの場合その恋愛のために燃えつきるようなことはなく、却って酵母としてそれを暖め反芻し
愛は神秘な修道場
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
新らしく世帯を
有
(
も
)
って、新らしい仕事を始める人に、あり勝ちな
急忙
(
せわ
)
しなさと、自分達を包む大都の空気の、日夜
劇
(
はげ
)
しく
震盪
(
しんとう
)
する
刺戟
(
しげき
)
とに
駆
(
か
)
られて、何事をもじっと考える
閑
(
ひま
)
もなく
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蒼空
(
あおぞら
)
に消え去るにはなおあまりに人間の性を帯び、
震盪
(
しんとう
)
を待つ原子のように中間にかかり、見たところ運命の束縛を脱し、昨日と今日と明日との
制扼
(
せいやく
)
を知らず、感激し、
眩暈
(
げんうん
)
し、浮揚し
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
骨から
脳味噌
(
のうみそ
)
まで
震盪
(
しんとう
)
を感じたくらい
烈
(
はげ
)
しく、親方は余の頭を掻き廻わした。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分がここに受け入れられるよろこびは朝子を真心から
震盪
(
しんとう
)
するのであり、それだからこそ、真にそれにふさわしい自分かどうか、自分が作家として自分に納得出来るような業績をもち得るかどうか
広場
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
このワーには
厭味
(
いやみ
)
もなければ思慮もない。理もなければ非もない。
詐
(
いつわ
)
りもなければ
懸引
(
かけひき
)
もない。徹頭徹尾ワーである。結晶した精神が一度に破裂して上下四囲の空気を
震盪
(
しんとう
)
さしてワーと鳴る。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“震盪”の意味
《名詞》
震 盪(しんとう)
激しく振り動かすこと。
(出典:Wiktionary)
震
常用漢字
中学
部首:⾬
15画
盪
漢検1級
部首:⽫
17画
“震”で始まる語句
震
震駭
震撼
震動
震災
震旦
震慄
震怒
震憾
震声