雲霧うんむ)” の例文
おまけに先刻さつき手早てばや藝當げいたうその效果きゝめあらはしてたので、自分じぶん自分じぶんはらまり、車窓しやさうから雲霧うんむうもれた山々やま/\なが
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
〔譯〕毀譽きよ得喪とくさうは、しんに是れ人生の雲霧うんむ、人をして昏迷こんめいせしむ。此の雲霧を一さうせば、則ちてんあをしろし。
けれどもその火と我我とのあひだには、十四世紀の伊太利イタリイなるものが雲霧うんむの如くにたなびいてゐるではないか。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ますます無智と迷信の雲霧うんむの中に迷い込ましむる資料としか思われない。
〔譯〕人心のれい太陽たいやうの如く然り。但だ克伐こくばつ怨欲えんよく雲霧うんむ四塞しそくせば、此のれいいづくに在る。故に意をまことにする工夫は、雲霧うんむはらうて白日をあふぐより先きなるはし。
というもまた全く同じである、もしそれ雲霧うんむを説いて
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)