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阿爺
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おとっ
ふりがな文庫
“
阿爺
(
おとっ
)” の例文
「大方そんなことだろうッて、
阿爺
(
おとっ
)
さんも
噂
(
うわさ
)
していましたッけ——阿爺さんが貴方のことを、『父さんも余程兄弟孝行だ』なんて——」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
阿爺
(
おとっ
)
さんが天狗になってお
囃子
(
はやし
)
を
行
(
や
)
ってるのじゃないかと思うと、急に何だか
薄気味
(
うすきび
)
悪くなって来て、私は頭からスポッと
夜着
(
よぎ
)
を
冠
(
かむ
)
って小さくなった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
阿爺
(
おとっ
)
さん。今日ね、久しぶりに
髪結床
(
かみゆいどこ
)
へ行って、頭を刈って来ました」と右の手で黒いところを
撫
(
な
)
で廻す。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こういう
阿爺
(
おとっ
)
さんらしい話を聞きながら古い城門の前あたりまで行くと馬に乗った医者が私達に挨拶して通った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
阿爺
(
おとっ
)
さんに叱られるけれど、と言いながら、詰り
桟俵法師
(
さんだらぼうし
)
を捜して来て、
履脱
(
くつぬぎ
)
の隅に敷いて遣った——は好かったが、其晩一晩
啼通
(
なきとお
)
されて、私は
些
(
ちっ
)
とも知らなんだが
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
「弁慶は法科にいたんだね。君なんかは横川の文科組なんだ。——
阿爺
(
おとっ
)
さん
叡山
(
えいざん
)
の総長は誰ですか」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
チョン
髷
(
まげ
)
を結った
阿爺
(
おとっ
)
さんが
鍛
(
う
)
ってくれたのだ。高瀬はその鉄の目方の
可成
(
かなり
)
あるガッシリとした柄のついた鍬を提げて、家の裏に借りて置いた畠の方へ行った。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「やあ……札が附いてたって、殺されますから。へえ。僕ン
所
(
とこ
)
の
阿爺
(
おとっ
)
さんが……」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「奇麗にもならんじゃないかって、
阿爺
(
おとっ
)
さん、こりゃ
五分刈
(
ごぶがり
)
じゃないですぜ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三吉は一ぱい物の
散乱
(
ちらか
)
してある縁側のところへ行って、この
阿爺
(
おとっ
)
さんとも言いたい年配の人の前に立った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「この
阿爺
(
おとっ
)
さんも、ちったア御百姓の御話が出来ますから、御二人で御話しなすって下さい」
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「私は
阿爺
(
おとっ
)
さんの亡くなる時分のことをよく知りません。御蔭で今夜は種々なことを知りました」と三吉は嫂に言った。「あれで、阿爺さんは、
平素
(
ふだん
)
はどんな人でしたかネ」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「よくよく困った時でなければ出すなッて、
阿爺
(
おとっ
)
さんに言われて貰って来たんですが……」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
爺
漢検準1級
部首:⽗
13画
“阿”で始まる語句
阿母
阿呆
阿魔
阿父
阿弥陀
阿諛
阿片
阿波
阿修羅
阿